
◆LVMHを昇格させた世界の村上隆
皆様、村上隆についてどんなイメージをお持ちですか。
カオスと調和が共存するカラフルな世界観で、世界に驚きを与え続ける現代日本人アーティスト。
有限会社カイカイキキ代表取締役でもあり、元カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員教授も務めた、
世界的に評価が高い、日本を代表する現代美術家です。
しかし独自の世界観が強く、DOBやドラえもん等のキャラクターをモチーフにしたポップな作品が多く、
好き嫌いが大きく分かれる作家の一人かもしれません。
しかしそんな村上隆が、今のLOUIS VUITTONを創り上げるのに「必要不可欠な存在」であったことをご存知でしたか。
20周年を祝して今年2度目のLOUIS VUITTONとのコラボレーションが発表された、村上隆。
今回は「なぜ村上隆がLOUIS VUITTONにとって大きな存在であるのか」について、ご紹介したいと思います。
◆マーク・ジェイコブスと村上隆の出逢い

今から20年ほど前のこと。
ルイ・ヴィトンの当時のアーティスティク・ディレクターを務めていたのは、マーク・ジェイコブスでした。
1986年に自身のブランド「マーク・ジェイコブス」を設立し、その後の1997年にルイヴィトンのアーティスティックディレクターに抜擢されます。
マークはブランドの未来につながる若者に目を向け、それまで保守的だったルイ・ヴィトンを革新的なものにするため声をかけたのは、村上隆でした。
その時カルティエとのコラボレーションを発表していた村上隆の偉才に目をつけたマークは、「モノグラムをレボリューションしてほしい」と依頼します。
最初はお断りを考えていた村上隆だったが、次の日には飛行機に乗ってマークの元へ向かっていたそうです。
◆21世紀新モノグラム誕生
ルイ・ヴィトンのモノグラムは、もともと日本の家紋をヒントに作られたパターンだということを知った村上は、
コラボレーションをするにあたり、家紋の源流を中国から南アジアまで辿り、インド更紗を研究し、様々なアイディアをマークに送り続けました。
その中で、マークから村上 隆が描いたパンダを模写したスケッチが送られてきます。そこから派生して誕生したキャラクターがスーパーフラットパンダでした。
また、これまでのクラシカルなイメージを覆し、カラフルで革新的なモノグラムを創り上げることに成功します。
「モノグラムの色を変えて、もっとフレッシュで自由な印象にしたかった」というマークの願いは、村上の〈スーパーフラットなアート〉と出会いによって見事に叶えられました。
2003年に発売されたルイ・ヴィトンとのコラボレーションは、
一大センセーションを巻き起こすだけでなく、新たなアートの楽しみ方をもたらしました。
本作はそんな「二十一世紀の新モノグラムの誕生」を記念して描かれた極めて貴重な作品です。

「スーパーフラットモノグラム(パンダとその友人)」
2004年 シルクスクリーン・リトグラフ 50部
◆新たなアートの楽しみ方〈ラグジュアリーブランドとアート〉

ハイブランドがアーティストと一緒になって、作品を発表することは珍しくありません。
例えばバスキアは生前、アルマーニのスポンサーがついていたり、
ティファニーがバスキアのティファニーブルーの名画をコレクションして話題になりました。
イブサンローランと親しい仲であったベルナール・ビュッフェもコラボレーション作品を発表しています。
まだ女性の地位が低い時代に活躍をしていた2人、ココ・シャネルとマリー・ローランサン。
ライバルにような関係でもありましたが、シャネルに肖像画を送ったり互いに大きな影響を与えあっていたことは有名です。
そしてgalleryKASAIでご紹介しているANnCO MIURA(みうらあんこ)もまた、
ルイ・ヴィトンのクリエイティブ・ディレクターから直接オファーをもらって3作品LVMHに納めています。
アーティストとラグジュアリーブランド。
新しくもオリジナルなものを創り出すことに全てを捧げてる彼らは互いになくてはならない存在なのでしょう。
メルマガ会員を募集しております!

gallery KASAI では、登録をしてくださった会員樣を対象とした特別なご案内を定期的にお送りします。
(会員登録は無料でご利用いただけます)
新入荷作品や作家の最新の活動情報をお知らせするのはもちろん、各種イベントへの招待状送付、アートに関する豆知識コラムをお送りするなど、会員の皆さまが日頃からアートをお楽しみいただけるよう特別な内容をご用意しております。
ぜひお気軽にご参加いただき ”アートをより身近な存在に” を共に実現できましたら幸いです。