◆現代を代表する、最も注目すべきアーティスト◆

David Hockney(デイヴィット・ホックニー)という作家をご存じですか。
2018年11月のSotheby’sオークションにて、
現存作家による最高落札価格、9031万2500ドル(当時のレートにて、約102億4459万円)で落札され、
今もなおその記録が破られていない、最も注目すべき作家。
パリ郊外にあるルイ・ヴィトンの美術館:Fondation Louis Vuittonにて、
David Hockneyの大個展が開催されているとのことで行ってきました。
私たちが今回のパリ出張でも最も注目していた展示会でしたが、素晴らしい大作の数々に圧巻。
『彼はなぜここまで世界で注目を集め、評価され続けているのか』
今回のレポートで彼の魅力を皆様にご紹介させていただきたいと思います!
◆David Hockneyについて
1937年イギリス出身、
現在88歳のデイヴィット・ホックニー。
子供の頃にテート美術館で開催されていたピカソ展をみた際に心打たれ、本格的に画家の道を歩み始めます。
1964年ロサンゼルスに移住し、アメリカ西海岸の陽光あふれる情景を描いた絵画で一躍脚光を浴び、現在はフランスのノルマンディーを拠点に、精力的に新作を発表し続けています。
世界各国で次々と個展が開催され、
2012年ロイヤル・アカデミー(ロンドン)での個展では60万人以上、2017年ポンピドゥー・センター(パリ)での個展でも60万人以上の来場者数を記録しました。
2023年には東京都現代美術館にて、日本では27年ぶりとなる待望の大型個展が開催され話題となりました。
ホックニーは「現代における最高峰の画家の一人」といえるでしょう。

◆パブロ・ピカソに憧れて。。。

「The Blue Guitar」1976-77年
そんなホックニーにも大きな影響を与えたのは、
20世紀最大の巨匠にして、
前衛美術の王として君臨した、パブロ・ピカソ。
幼い頃、テート美術館で開催されていたピカソ展をみた際に心打たれ、本格的に画家の道を歩み始めます。
そんな憧れのパブロ・ピカソの最晩年の版画を手がけていた摺師と出会い、ホックニーは間接的に敬愛するピカソと対話を交わすようになります。
空間認識についての意欲的な実験を繰り返し、
ピカソのキュビズム的な世界観の中で再発見をするとともに、
摺師から学んだ新たな技法を用いて版画集
「Blue guitar」に取り組む。
エッチングという技法で制作された本作は、1980年代に開花したホックニー独自の「逆遠近法」に
結実させる重要な役割を持った作品と言えるでしょう。
◆現存作家による最高落札価格:約102億
冒頭でも少し触れましたが、
2018年11月のSotheby’sオークションにて、ホックニーの作品
ーPortrait of an Artist (Pool with Two Figures)1972ー
「芸術家の肖像画(プールと二人の人物)」(1972年)が、
現存作家による最高落札価格、
9031万2500ドル(当時約102億4459万円)で落札されました。
この記録は現在も破られていません。

「芸術家の肖像画ープールと二人の人物」1972年
それ以前のレコードは、
2015年に落札されたジェフ・クーンズの《Balloon Dog (Orange)》の5200万ドル
(2015年レートにて、約59億円)だったので、一気に記録を跳ね上げたことになる。
彼は2008年にはすでに芸術家としてその地位を確立していましたが、
2009年ごろから開催された展覧会によって徐々に人気に火がつき、
2018年にメトロポリタン美術館にて主要な展覧会が開催されると、作品のオークション落札価格は急上昇を遂げます。
◆なぜ世界中で評価され続けているのか

”今に生きる私は、今を描く,,
と口癖のように語るデイヴィッド・ホックニー。
88歳になった今も芸術に対する情熱と表現力は少しも衰えていない。
彼が世界で高く評価され続けている理由として、下記に大きく分けて2つあげたいと思います。
①挑戦しつづけている
60年以上にわたり第一線で活躍し続けているホックニーは、
絵画、ドローイング、版画、写真、舞台芸術といった分野で多彩な作品を発表し続けています。
常に新しい表現方法にも挑戦し続けており、1900年代にはコンピューター・ドローイング、2000年代には複数枚のカンヴァスを組み合わせた大きな絵画制作、最近ではiPadで制作した作品を発表し注目を集めました。
②「今」を描き続けている
ホックニー作品は、花や自然の移り変わり・身近な人々など、日常に溢れている美しいものをモチーフに「今」を書き留めており、そこには同じ時代を生きている私たちにしか感じ取ることができない『メッセージ』があります。
そのメッセージに世界中から共感を集めている点が、世界で高く評価されている大きな要素と言えるでしょう。
コロナ禍にi Padで制作した作品を発表した際には、作品とともに
「DO REMEBER THEY CAN’T CANCEL THE SPRIBG – 春が来ることを忘れないで」
のメッセージを発信。
多くの共感を得たとともに、アートの素晴らしさを再確認する機会となりました。
“場所にかかわらず、絵を描いているときが一番幸せ。
ファン・ゴッホもそうだったのだろうと思う,,
今年88歳を迎えたホックニー。
常に時代の変化を捉え、先を見据えてきた彼だからこそ、
現代アート市場においてこれからの活躍と市場の動向も見逃すことができない作家の一人である。
”今に生きる私は、今を描く,,
まさにホックニーの口癖の言葉から生まれる、新しい「今」に今後も注目しなければならない。
それこそが、現存する作家において最高峰の位置づけにいながらも、
スタイルを崩すことなく「今」を自由に描いているホックニーが現存における最高峰と言われる所以なのだろう。
◆galleryKASAIでお取り扱いのある、ホックニー作品

「What Is this Picasso? ー20 from The Blue Guitar」
1976-7年 エッチング 200部
34.5×42.5cm 直筆サインあり
作品詳細はこちら>>
ホックニーに大きな影響を与えたのは、20世紀巨匠 パブロ・ピカソ。幼い頃、テート美術館で開催されていたピカソ展をみた際に心打たれ、本格的に画家の道を歩み始めます。
そんな憧れのパブロ・ピカソの最晩年の版画を手がけていた摺師と出会い、ホックニーは間接的に敬愛するピカソと対話を交わすようになります。
空間認識についての意欲的な実験を繰り返し、ピカソのキュビズム的な世界観の中で再発見をするとともに、摺師から学んだ新たな技法を用いて版画集「Blue guitar」に取り組みました。
本作はその一枚です。
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