
◆BRBメディカルサロン様 会報誌にアートコラムを掲載!
以前よりお世話になっております、高級メディカル医療サロンBRB Medical Salon様の会報誌
「Letterzine#12」に今回もgalleryKASAIのアートコラムを掲載させて頂きました。
今回のテーマは、「デイヴィッド・ホックニーで読み解く長寿の秘訣」です。
21世紀の現代美術における最も重要な人物の一人であるデイヴィッド・ホックニー。
本記事を入稿後の今年6月11日、彼はご自宅で安らかに息を引きとりました。
誕生日を1ヶ月後に控えた、88歳でした。
BBCではブレイキングニュースとして報道され、
国王チャールズ3世や、国内外の美術界から追悼のメッセージが送られました。
(悲しいことに美術に遅れをとっている日本では、ニュースになりませんでした。。。)
ホックニー氏の代理人は、
「永続するレガシーは、彼の生命への情熱、卓越したユーモアの感覚、並外れた寛大さ、そして『Love Life(人生を愛せ)』という象徴的な言葉に体現された探究心を反映している」と声明を発表。
晩年にはipadを使って作品を制作するなど、
常に「今」を見つめ挑戦し続けた彼の素晴らしさを今回は纏めていますので、ぜひご拝読くださいませ。
◆アートコラム「デイヴィッド・ホックニーで読み解く長寿の秘訣」

第三回目は、長寿とその生き方をテーマに現存する作家の中において最高峰の位置する、
デイヴィッド・ホックニーという作家についてお話しさせていただきます。
今世紀の現代美術を代表するアーティスト、デイヴィット・ホックニー。
イギリス出身のホックニーは今年で89歳になります。
「今に生きる私は、今を描く」と語る彼の芸術に対する情熱と表現力は、現在も少しも衰えることはありません。
近年では2025年にパリ郊外に位置するLVMH(ルィ・ヴィトン財団)が所有する美術館[Fondation Louis Vuitton]にて、ホックニーの大個展が開催されました。
2008年にはすでに芸術家としてその地位を確立していたホックニーですが、重ねる展覧会により更に人気に火がつき、
メトロポリタン美術館にて主要な展覧会が開催されると、ホックニー作品のオークション落札価格が急上昇します。
2018年に開催された某オークションに出品された「Portrait of an Artist(Pool with Two Figures)(1972)」は、
9031万ドル(=約102億円)という驚くべき金額で落札されました。この記録は、現存する芸術家として過去最高落札額となります。
『ホックニーはなぜここまで世界で注目を集め、評価され続けているのか』
ーそこにはホックニーが生涯をかけて絵画の可能性を追求し、鮮やかな色彩と革新的な視覚理論で現代アートを牽引し続けてきた背景にあります。常に「見る」ことの新しい形を表現し続けているのです。
前回のアートコラムでは、生涯を通して好きなことをし続けてきた
パブロ・ピカソ(91歳)とマルク・シャガール(97歳)を「長寿で多くの作品を世に残した作家」としてご紹介いたしました。
今回ご紹介するホックニーもまた、生涯を通して好きなことに常に挑戦し続けている共通点が見られます。
一つ例に挙げると、最新技術から生まれたiPadを見事に使いこなし、新たな表現を生み出しました。
背面のバックライトによって画面の明るさが保たれるiPadが、ホックニーに早朝の光への新たな気づきをもらたしたと言われており、
2010年以降、iPadによって窓に入ってくる光をモチーフに多く描くようになります。

「デジタルアートは絵画なのか?」という疑問が浮かぶかも知れません。
2018年エリザベス女王の治世を祝福するため、ホックニーはiPadでデザインしたステンドグラス「ザ・クイーンズ・ウィンドウ」を制作しました。そしてその作品はロンドンのウェストミンスター寺院で公開されました。本国イギリスの国家建造物にipadで描いた作品が大々的にお披露目されたのですから、ホックニーの挑戦はレガシーを刻んだこととなります。
そんな名実ともに世界の巨匠となったホックニーに大きな影響を与えた画家をご存知ですか。
二十世紀最大にして、前衛美術の王として君臨した、パブロ・ピカソです。
幼い頃テート美術館で開催されていたピカソ展をみたホックニーは、雷に打たれたような衝撃を受け、本格的に画家の道を歩み始めます。
そして1970年代、ピカソの最晩年の版画を手がけていた摺(すり)師と出会います。
刷り師から学んだ新たな技法を駆使しながら制作を進める中で、間接的に亡き敬愛するピカソと対話を交わすようになり、
「 B l u e g u i t a r ( ブルーギター)」シリーズを生み出します。
ピカソのキュビズム的な手法や線画を自分の言葉で語り直した、最大限のオマージュを込め制作された本シリーズは、ホックニーを語る上で外せない重要な作品として、東京都美術館も所蔵しています。
◆galleryKASAIが紹介するホックニー作品「 B l u e g u i t a r ( ブルーギター)」

「The Old Guitaristー20 fromThe Blue Guitar(M.C.A.T.197)」
1976-7年 エッチング 200部
画寸:42.5×34.5cm
直筆サイン有
価格:お問い合わせください

「フランコ・アメリカン・メイルー20 from The Blue Guitar(M.C.A.T.197)」
1976-7年 エッチング 200部
画寸:42.0 × 34.0 cm
直筆サイン有
価格:お問い合わせください
近年のインタビューで、ホックニー自身がこのように語っています。
「現在はロンドンに住んでいますが、場所にかかわらず、絵を描いているときが一番幸せです。ファン・ゴッホもそうだったのだろうと思います。口癖になりましたが、この80年間、私は人生の一日一日を好きなことだけして過ごしてきました。優れた芸術家は皆そうで、制作をやめることはできないのです(ハーパーズ バザー アートBy OLIVIER LALANNE 2025年インタビューより)」
ホックニーの生き方や言葉に、健康であり続ける秘訣を見つけることができるかもしれませんね。
それではまた次回、アートの時間でお会いしましょう。
◆BRBメディカルサロンとは?
東京大学・慶應義塾大学出身の名誉教授・現役教授を顧問ドクターに迎えた強固な医療ネットワークを有する会員制医療クラブです。
コンベンショナルな施設運営はあえて行わず、顧問ドクターが推奨する医療機関や専門医と連携することで「その方にとって最も適した医療のご提案」を可能にしています。