ルネ・マグリット等 巨匠を通して覗く「シュルレアリスム」

◆「拡大するシュルレアリスム 展」を観に行ってきました!

現在、東京オペラシティアートギャラリーにて開催中の「拡大するシュルレアリスム展」に行ってきました。

シュルレアリスムの代表的な作家として、ルネ・マグリットやマン・レイ、サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロ等があげられます。

しかし実際、作家の名前は知っていても、
「シュルレアリスム(=超現実主義)」に対しては理解に難しい印象を抱く方が多いのではないでしょうか。

それもそのはず。
今回の展示会のタイトルにもなった様に、シュルレアリスムはオブジェ・写真・絵画・広告デザイン・ファッションデザイン・インテリアと、広い分野で様々なアーティストが「現実を超えた現実」を芸術という形にして伝えてきました。

つまり、シュルレアリスムは他の芸術の潮流(ex:キュビズムやフォービズム)とは異なり、
共通の様式を持たないことが特徴です。
そのため、理解をする上で難しく思われるかもしれません。


今日はそんな「シュルレアリスム」を、巨匠作品を通してご紹介できたらと思います。


◆シュルレアリスムとは??


1924年フランスで、作家アンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を発表し、運動が本格的始ました。

それは、第一次世界大戦がもたらした悲惨な状況で理性や合理的主義に対する批判を生む中、
「日常を変えたい」とより現実的になることで高次元を求めた背景に生まれた運動で、

文学を超え、オブジェ・写真・絵画・広告・インスタレーション・ファッション・インテリアにまで「シュルレアリスム」と呼ばれ拡大しました。
そのため、「シュルレアリスム」は芸術のみならず社会全体に影響をもたらしたことがわかります。


その影響は誕生から100年を経た現代においても続いており、

時代を超えても「真新しい驚き」を与え続けているシュルレアリスムだからこそ、理解に苦しむ面もあるということです。


少し余談ですが、
日本でフランスのシュルレアリスムが前衛芸術として発展を遂げたのは1930年代以降のことでした。

しかし日本におけるシュルレアリスムとは、当時ブルトンが提唱した「無意識の探求」という本来の目的から離れ、
「現実離れした奇抜で幻想的な芸術」という意味で広まり、「シュール」という日本独自の概念・表現が生まれたことに繋がっています。


◆ルネ・マグリットで覗く「シュルレアリスム」

ルネ・マグリット(1898-1967)はベルギーの国民的画家です。

言葉やイメージ、時間や重力など、私たちの思考や行動を規定する「枠」を飛び越えて見せる独特な世界観で、
20世紀に活躍し多くの影響を与えました。

真昼に持つ夜の時間、
記憶とともに血を流す骸骨、
人間の様に生きている木。。。。。

一見対照的なものを同じ画に収める」彼の技法は、
不規則や不一致といった概念を一周まわってひとつのリアリティだということに気付かされる。

時代を超えても、何度見ても、彼の絵は驚きのあまり見入ってしまう。

一度見たら忘れることのできない、ある意味での「ショック」を絵画で与えられるのが、彼にしか表現できない才能であり、アイコンと言えるでしょう。

マグリット「レディ・メイドの花束」1957年 
大阪中之島美術館 所蔵


◆サルバドール・ダリで覗く「シュルレアリスム」

スペイン・カタルーニャ生まれのダリは、
1927年画家としてパリに渡り、
シュルレアリスム創業者であるアンドレ・ブルトンと出会い、パリの芸術界にデビューします。

「眼は野生の状態で存在する」とブルトンが述べたように、
我々が日常生活見ているものとは異なる現実の状態を見つけられるとして「眼」と「視覚」の関係性を表現するため、
この頃の作品には「目」が多く描かれています。

見る人に強烈な違和感(=印象)を持たせるダリの作品は、広告としても高い視覚効果を実現させ、
フランス国有鉄道やヴォーグ誌にも採用されました。

美術館の観客だけではなく大衆文化を担う一般市民を受け手とし、
街中で美術作品を見るつもりのない通りすがりの者に対しても強烈な印象を抱かせました。

ダリはブルトンと決裂した1934年以降、シュルレアリスムとは距離を置くようになりますが、


ダリのこの活躍は現在のビジュアルデザインにも繋がり、大きな影響を与え続けています。

ダリ「ダリの太陽」1965年 岡崎市美術博物館所蔵


◆最後に

「視覚芸術」としてシュルレアリスムを様々なジャンルで展開している点がとても興味深く、

オブジェや絵画・写真、広告そしてファッションやインテリアまで、一見全く異なる芸術に見えますが、
訴えかけてくるメッセージ性に一貫性があり、
シュルレアリスムという言葉では説明しきれないものを肌で感じることができました。


写真に収めることのできなっかった作品も多くありましたので、お近くの方はぜひ足を運んでみてください。



「拡大するシュルレアリスム」展

会場:東京オペラシティアートギャラリー
期間:2026年4月16日〜6月24日
公式HP:https://www.operacity.jp/ag/exh297