
◆クリムト作品が約370億円で落札!レコードを更新!
画家グスタフ・クリムトの代表作「エリザベート・レーデラーの肖像」が11月18日、
NYのサザビーズで2億3640万ドル(約370億円)で落札されました。
これは、現代美術として史上最高額の落札価格であり、レオナルド・ダ・ヴィンチ「Salvator Mundi」に次いで2位となりました。
約20分にわたる競り合いの末、電話入札の匿名の方が落札し、会場は大きな拍手で包まれました。
この肖像画は、クリムトのパトロンの娘を描いた晩年の作品で、金が使われています。
今回のオークションで出品されたこの肖像画を含む24点の作品は、今年6月に92歳で死去した元化粧品業界エスティローダーも名誉会長だった、レナード・ローダー氏が収集した美術品コレクションでした。
◆グスタフ・クリムトはどんな画家?

クリムトは1867年にオーストリアの郊外で生まれました。
14歳で美術工芸学校に入学し、20代にはすでに劇場や美術館などの装飾の仕事を受けるほど、才能が国に認められます。
その頃はちょうど印象派が生まれた時代で、それまでの写実的な技法では個性が出せないと、もがき描いた作家の一人でもあります。
当時ウィーンでは成績のいい者は国の記念物などに装飾を手がけるなどして、伝統的な技法で国のために作品を残していくことが良いとされてきました。
しかし1897年、ウィーン造形芸術協会から離脱し、新しく「ウィーン分離派」を結成。クリムトは初代会長を務めました。
フランスでは印象派やピカソらによるキュビズムが絵画の歴史を変えていく中、クリムトも金をふんだんに使って平面的に且つ官能的に女性を描く独自の様式で知られていきました。
◆クリムトの魅力とは一体?

クリムトで最も有名な作品が「接吻」です。
一見すると、キスをする愛に包みこまれたカップル。
でもだんだんと詳細を見ていくと、
二人がいるのは断崖の淵でとても不安定な場所。
女性の足元にはツルが絡まり、男性が覆うようにキスをする様子から上下関係もみえてくるような、、、。
“様々な解釈が生まれる”
クリムトの作品が有名になった背景にはこのように、
観る人によって解釈が変わってくるという点があります。
多くの女性やモデルに囲まれて画家人生を歩んだクリムトですが、生涯にわたり郊外で母と姉妹とともに暮らし、
社交の場にもあまり姿を現さず、自分のことについて語ることなく55歳という若さでこの世を去ります。
そのため、クリムトがどのような思考で、
なぜこの絵を描いたのか、今も誰にもわかりません。
「解釈が定まっていないことがこの絵の美しさである」
見るものに様々な問いが生まれてくる、それがこの絵が多くのものを惹きつける理由なのでしょう。
◆現在(2025.11)のオークションレコード
1位:レオナルド・ダ・ヴィンチ《Salvator Mundi》
落札価格:約585億4,063万円($450,312,500)
2位:グスタフ・クリムト《エリザベート・レーデラーの肖像》
落札価格:2億3640万ドル(約370億円)
3位:アンディ・ウォーホル《Shot Sage Blue Marilyn》
落札価格:約253億5,520万円($195,040,000)
4位:パブロ・ピカソ《Les femmes d’Alger (‘O’ Version)》
落札価格:約233億1,745万円($179,365,000)
5位:アメデオ・モディリアーニ《Nu couché》
落札価格:約221億5,265万円($170,405,000)